僕はかなり多趣味だ。しかし“趣味”という言葉はあまり好きではない。なぜなら、興味を持ったことは徹底的に極めて、趣味の域を超えることを心がけているからだ。もちろん、専門外のことを極めたところでプロレベルになるのは難しい。というよりまず不可能だ。しかしそこまで行かなくても、趣味の域を超えるくらいの事はできる。
例えば、山中伸弥教授のiPS細胞に対して興味を持ったとする。そこで山中教授の書いた一般向けの本やiPS細胞の解説書を読めば、おおよその事は分かるであろう。しかしそこを一歩越えて山中教授の原論文を読むところまで踏み込んでみたい。山中教授のiPS細胞発見の原論文(英文)はネットで簡単に手に入る。実際僕もこの原論文をプリントアウトした。しっかりと読めたかどうかは非常に怪しいが。
「広く浅く」か?「狭く深く」か?という問いはいろんなところで問われる。しかし欲を言えばその両方に挑戦したいものである。専門の事に関しては徹底的に深く、そして専門以外の事に関してもそれなりの深さで広く、というふうに。軸足をしっかりと持ちつつも、あらゆるところに触手を伸ばせるフットワークの軽さを身に付けたいものである。
目指すところは「多趣味の専門家」というところであろうか?僕の場合、数理物理という専門に関しては徹底的に深く、かつ荒野を切り開き新しい知見を確立していく。そして専門外の生物学や哲学、さらには興味のある時計やスーツに至るファッションまで、広く突き詰めていきたいと思っている。
少し欲張りかも知れないが、欲張りでないと物事は追究できないし、欲張りなくらいがちょうどいいと思っている。