オウム・菊池直子被告に無罪判決、東京高裁裁判から

オウム真理教の元信者、菊池直子被告の裁判の判決が27日にあり、菊池被告に無罪判決が言い渡された。一言で言うと、検察側の完全な敗北だ。検察側は控訴するだろうが、今回のこの一件の判決は、検察側にも国民にも衝撃的な判決ともいえる。

ただ今回の判決に関して、一方的におかしいと言うつもりはない。むしろ日本の裁判システムの現状が現在は正常に稼働しているともいえる。それはこういうことだ。

過去の裁判では今回の判決とは全く逆のことが幾度か起きてきた。最近では袴田巌さんの判決が記憶に新しい。無罪である人間が不当な証拠で有罪、しかも死刑判決が下された。袴田さんは不幸中の幸いと言っては非常に失礼になるが、晴れて冤罪判決が確定され自由の身となられた。しかしこれまでに冤罪の疑いのある死刑囚が死刑執行された例がいくつか存在する。普段の社会生活で犯罪にあうのは怖いが、犯罪を犯していない人間が冤罪で突然国家権力に拘束されるのはもっと怖い。袴田さんはその犠牲になられた。

今回の菊池被告の判決は、有罪の疑いが強いが、不十分な証拠と取り調べに対して嫌疑不十分と判断された。この判決に不満を持つ国民は非常に多いと思われるが、裁判の原則は推定無罪である。疑いが曖昧な人間を一方的な思い込みで有罪にしては決してならない。袴田さんの二の舞は決して起こしてはならないのだ。

菊池被告への個人的な感情はともかく、裁判のシステム、今回の判決に対しては検察の敗北ということ以上に、裁判の正当性を主張するものであり、今回の裁判に関わった裁判官に対して支持を表したい。

この裁判は間違いなく最高裁に控訴されると思うが、検察はさらに確証の高い証拠を提示し、論理的弁証を行い、もしこれが有罪ならば最高裁判事を完全にうならせる形で判決を取ってほしい。

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