今年のノーベル物理学賞に、ペンローズ博士ら三人が受賞されることが決まった。僕は今年の受賞者の名前の中にペンローズの名前があったことに少しびっくりした。なぜなら、ペンローズ博士のような大物理学者なら、今までに受賞されているとすっかりと思い込んでいたからだ。ペンローズ博士なら30年前に受賞していても全然おかしくはない話だ。
今回の受賞理由は、ブラックホール理論に対するものだ。ペンローズ博士はおそらく特異点定理などを評価されたものと思われる。そして特異点定理などのペンローズ博士の業績を語るうえで外せないのは、故ホーキング博士との共同研究だ。特異点定理もペンローズ博士とホーキング博士の共同研究によるものだ。なのでホーキング博士が存命ならば、今年の受賞者の中にホーキングの名前があったと思われる。
ペンローズ博士は非常に多才な学者だ。そして物理学者と言われているが、非常に数学寄りの数理物理学者と言え、数学者と言っても間違いではないだろう。特にペンローズ博士の代名詞と言えるのが「ツイスター理論」だ。このツイスター理論は、物理側からも数学側からも研究が進められている。
最後に一言付け加えると、世間では圧倒的にホーキング博士の方が有名だが、研究者からしてみればホーキング博士よりもペンローズ博士の方が偉大だと言う人は多いのではないだろうか?僕自身もそう思っている。今年のノーベル物理学賞には日本人も期待されていたようだが、ペンローズの名前を出されては日本人物理学者は太刀打ちできないと言えるだろう。それほどペンローズ博士の業績は圧倒的なのである。