プロスポーツ選手にとって、仕事道具とは。

最近、プロ野球・ヤクルトスワローズの山田哲人選手が、数年愛用してきたグラブを交換するにあたって、今まで使ってきたグラブを道具メーカーに飾るのか、山田選手の実家に飾るのかということが話題になっていた。そのグラブは非常に丁寧にメンテナンスされており、ほとんど汚れていなかったという。山田選手がどれだけ道具を大切にしていたかと言うことが非常に良く伝わるエピソードである。

現在、テニスは全仏オープンが行われている。錦織選手は残念ながら8強で敗退することが決まった。その錦織選手であるが、以前の試合でラケットを叩きつけ破壊したことが問題になった。これも錦織選手の道具に対する考えが伝わってくる出来事であった。

ところで、プロスポーツ選手の道具に対しての扱いは「大切にする」か「いい加減に扱うか」の二分にされることが多い。野球でも、グラブは大切にされるが、バットはへし折られるのがよくあるパターンだ。

そこで一つ気づいたのだが、どの道具が大切にされ、どの道具がいい加減に扱われるのかということを考えた時、大切に扱われるのは時間をかけてなじませ、数年間愛用されるような道具である。グラブもそうであろう。それに対して、テニスのラケット・野球のバットなどは、年間何十本も用意され、プロスポーツ選手にとってそれらは使い捨てに近いのかもしれない。もちろん使い捨ての道具に愛着はわかない。それが道具の破壊行為などのいい加減な扱いにつながるのかもしれない。

些細なことであるが、普段僕たちが使っている物なども、良いものをメンテナンスをしながら末永く使っていくか、安いものを使い捨てるか、それぞれ人の価値観の違いになるが、メンテナンスをしながら「道具(物)を育てていく」という行為は、物に対しての価値観として非常に重要ではないかと思う。

きっと山田哲人選手のグラブも、数年かけて育て、自分仕様に育て上げたに違いない。

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