「リスクを最小化する」ということはよく聞く話であり、ほとんどの人が一番力を入れているところであろうが、僕は「リスクを最大限に取る」ということは人生戦略として非常に重要な事ではないかと考えている。もちろん全ての事においてリスクを大きく取る必要はない。しかし人生を懸けていることに対してリスクを最大限に取ることは、人生に大きな意義をもたらしてくれる。間違っても、お金の賭け事などのリスクを取るなどという非常にくだらないことを言っているのではない。
「リスクを最大限に取る」と一言で言ったが、実はこれは簡単にできる事ではない。リスクを最大限に取るためには緻密な計算も必要だし、物事の全体像と人生の全体像を見通すことが出来なければ実行できない。リスクを最小限にすることは目的も意味も非常に分かりやすく簡単に納得させることが出来るが、それに逆行することのように見えるリスクの最大化は多くの人には理解不能に見えるであろう。従ってこの事の意味は結果を出して納得させるしかない。
周りから見ていると一見バカな事に見えることがたくさんある。もちろんその中には本当にバカなことも多いが、一部には緻密に計算された上で覚悟を決めてリスクに飛び込んでいる人もいる。もちろんそれに失敗すれば周りからはバカだったと言われるところだが、そのようにリスクを最大限に取っている人生の挑戦者をバカ呼ばわりする安易な世間の風潮は、あまりにも軽率で愚かに感じる。
いかにしてリスクを最大限に取るか?その結論にたどり着くまでには多くの悩みを経て、さらに強い覚悟が必要である。そしてそのような精神的な事だけではなく、完璧に近い設計や計算も必要だ。しかし多くの事に対してはそれでも100%ではない。しかし物事には100%ということはない。完璧な学問と思われている科学実験においても100%ということはほとんどありえないのである。しかし100%でないから意味はないのかと言うと、それは全く違う。100%ではないから“リスク”と言う言葉があるのである。
リスクを少なくすることばかりを考えるのではなく、自分はどこまで大きなリスクを取れるのかという計算を行い挑戦することも非常に意義ある事であり、自分に人間としての大きな飛躍をもたらしてくれることであろう。