もし自分が学生ならば、数学の世界についてどのように感じるだろうか?おそらく数学と言うものは得体の知れない部分が多く、どこに限界があるのか想像がつかないであろう。数学でなく物理や化学、あるいは経済学であってもそう感じるに違いない。しかしそれらの分野を極めることによって、それらの世界がどんどん小さくなってくる。あれほど得体の知れなかった数学の世界が非常に小さく見えてくるのだ。そうなれば数学の世界が窮屈になり、殻を破ろうとするであろう。殻を破る、すなわち新しい世界を構築するのだ。
世界が小さく見えるとは、その世界の全貌を見渡せている証である。しかし実際は、その全貌を見渡せていないまま重箱の隅を突くような研究をしている人も少なくない。その結果、全貌を見渡せている人と見渡せていない人では結果の質が大きく変わってくる。
そして他分野、隣接分野を理解することも大きな武器になる。数学に取り組んでいるのならば、数学内の隣接分野を、さらには化学、生物学などに取り組むのもいいだろう。そして重要なのは、専門外の分野だから知識を仕入れるだけでいいとは思わずに、その分野でも何か新しい結果を出そうとすることが重要だ。それが僕の言うジェネラルサイエンティストへの唯一の道である。
しかし、現在まだ結果を出せていないことを悲観することは全くない。しかし明確なビジョンを持てていないのならばかなり悲観的である。まずは到達点をはっきりとさせ、それを基にビジョンを構築することが必用である。時間をかけることが必ずしも良いことだとは思わないし、早く結果を出すことに越したことはないが、大きな目標を掲げているのならばじっくりと時間をかけるのも重要である。結果を出すまでは外野がうるさいであろうが、そんなことは結果を出せば全て解決することである。じっくりと腰を据えて、大きく深く問題に取り組むことにしよう。