世界大学ランキングにこだわるな

毎年、世界の大学ランキングが発表される。最近では、カリフォルニア工科大学の評価が非常に高く、イギリスのケンブリッジ、オックスフォードなどが上位に位置し、数学・理論物理系では圧倒的な存在感を見せるプリンストン大学・プリンストン高等研究所も高評価だ。

今年、日本で話題になったのは、日本の大学が軒並み順位を下げたことだ。東大が43位、京大が88位だ。その結果に多くの人、そして多くの日本人も毎年一喜一憂している。

ところでそもそも大学ランキングとはいったいなんだろうか?大学ランキングの評価基準が明らかになっていない。論文の提出数・引用数が考えられるが、たとえそうだとしても毎年一喜一憂するようなランキングではないはずだ。問題は大学そのものではなく、個人及び組織の意識、そして才能である。もちろん高評価の大学には優秀な人材が多いのだろうと考えられる。しかしランキングにこだわることにどれだけの意義があるのだろうか。

今年、ノーベル賞を受賞された、化学賞の大村さんは山梨大学、物理学賞の梶田さんは埼玉大学出身だ。自分の所属・出身大学の評価が高くないから自分も評価されないと思っている人は、所詮その程度の人間だということだ。真に実力・意欲のある人物は、学歴などほとんど気にしないはずだ。それは地方大学出身でも東大出身でも同じだ。それを大村さん・梶田さんが証明してくれた。

大学ランキングなどはお笑いのネタ程度に思っていればいい。偏差値で学歴を評価するなどは、お遊び程度のことであって、ビジネスで真剣に考えるようなことではない。しかし日本(他国ではもっとひどいところもあるが)では今でも学歴至上主義的な風潮が根強く残っている。「木を見て森を見ず」という言葉があるが、「学歴を見て人を見ず」とは決してあってはならない。

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