物事を進める時、何を変えるか?あるいは何を変えないか?という事が大きな問題になる。しかし多くの場合、決断者が変えるべきだと決断すれば全てを変える方向へと動き、変えてはならないと決断すれば全てを変えない方向へと動く。しかし一番重要な事は、変えるべき事と変えてはならないことを区別することだ。
実は「変えない」という決断も非常に勇気のいる決断だ。なぜなら多くの人は問題にぶつかった時、変えるという前提で物事を進めがちになるからだ。なのでなかなか「変えないべきだ」という決断が出来ない。もちろん、変えるべきであることも多々ある。そのような事に対してはどんどん変えていかなければならない。
伝統というものは、不変であることを前提にしている。なので、伝統を変えるという事は非常に勇気のいる事だ。もちろん、伝統というものはそう簡単に変えるべきではない。なので伝統に関して考える時は熟考しなければならない。しかし、伝統と言えども決して不変なものではない。伝統も時代によって常々軌道修正されている。そのような軌道修正は、意識的にされることもあるし無意識的にされることもある。
人生というものは、毎日軌道修正の繰り返しである。日常において目にしたことを基に軌道修正し、あるいは本を読んで仕入れた知識を基に軌道修正することもある。しかし軌道修正するくらいならあまり決断はいらないが、時には大きく変革しなければならない時もある。しかし変えてはならないことまで変革してはいけない。そのような判断力を身に付けるためには読書も役に立つこともあろうし、あるいは専門分野の専門的思考が威力を発揮することもある。しかし、ただ知識を仕入れるだけではダメだ。そこに思考という加工を加えないと知識は自分の手足とはならないのだ。