7月13日(月)の報道ステーションで、安保法案に関する国会での議論のニュースが流れた。国会では4人の有識者が招かれ意見を述べた。
そのうちの一人、元外務官僚は、ISIL(イスラム国)を例に取り上げ、日本一国だけが血を流さないで他国の危機を眺めているだけのような無責任なことは通用しないと述べられた。この意見に関しては僕はもっともだと思う。
さらにもう一人、憲法学者で首都大学東京准教授の木村草太氏は、憲法学的には非常に問題があって、もし集団的自衛権を認めるならば憲法改正と言う手続きを取らなければならないと述べられた。この意見に関しても僕はもっともだと思う。
僕は集団的自衛権法案賛成・反対の両者に対してもっともだと言ったが、これには理由がある。根を正せば両者とも集団的自衛権の思想に関しては賛成なのである。ただ木村氏の意見は憲法学的立場から、もし集団的自衛権を認めるならば正式な手続きを取らなければならないという意見を述べているのである。
なぜ木村氏は憲法改正という手続きにこだわるのか。それはもしこのような正式な手続きをしないで集団的自衛権を認めれば、今回の件に関しては何も問題がなくても、これから将来、今回のことが前例になり憲法解釈ですべてを済ましてしまう、あるいは極端な場合は憲法を無視してしまうような事態が起きる可能性があることを憂慮しているのだと思う。極端に言えば独裁国家になってしまうような。
木村氏は報道ステーションのスタジオにも呼ばれていたが、彼の論点は的確で鋭い。僕は憲法学など素人中の素人であるが、木村氏は憲法学の核心をわかりやすく伝えてくれたと思う。
彼のような若くて気鋭の学者が法案議論の一翼を担っていることは、非常に心強いことだと僕は感じた。これからの木村氏の活動・研究に期待したい。