安倍首相、かみ合わない国会答弁

最近、安倍首相の国会での発言に対して疑問視する声が多い。僕自身、これまで安倍首相を支持し、個人的には応援してきたが、このような発言をされると安倍首相の現状認識に対して疑問を抱かざる負えない。

一つ目は女性のバートに対する発言。これは就業者一人当たりの収入が下がっているという議題。世帯主が50万円稼いでいたところに主婦がパートで25万円稼げば、就業者一人当たりの収入は50万から37万5千円に下がる。すなわち就業者一人当たりの収入が減ったのは就業者が増えたからであって、総額で言えば増えている、というものだ。

ここで野党は「パートで25万円も稼げるなんてありえない。総理はどういう感覚をしているのか?」と突っ込んだ。この突っ込みは議題のすり替えともとれるが、重要な疑念である。首相が政策をリードする以上、一般市民の感覚を的確につかむことは非常に重要だ。パートをすれば25万円稼げる、このような認識は確実に浮世離れしている。このような認識で実態に沿った政策を打てるかというと疑問に思わざる負えない。

そして二つ目は、保育園待機児童が増えたことに関して首相が「女性の就業者が増えたことによる減少で、これはうれしい嘆きだ」と発言したことに対してだ。これに対して野党側は「女性の就業者の増加の主な理由は65歳以上の女性によるもので、20代~35歳の女性に対しては逆に20%以上減少している」と突っ込んだ。この野党議員の主張が本当ならば、首相の発言は勘違いが甚だしい。首相は「そのような突っ込みは枝葉末節的な事だ」と反論したが、この問題は枝葉末節どころか問題の本質である。若者女性の就業者が減少して、さらに待機児童が増加しているとなれば、状況は非常に悪化しているということになる。

さらに首相は女性就業者が増えたことに対して「景気が良くなって賃金が上がったので、働こうという女性が増えた」と発言している。これには僕も怒り心頭になった。働くのは家計が苦しいからで、余裕があれば、働こうという主婦は少ないはずだ。

本当に安倍首相の市民感覚はどこまでずれているのであろうか。この様な感覚で政策の実行を続けていると、行く末が不安になるばかりである。政治エリート一家に生まれた安倍首相と、森永製菓社長令嬢の昭恵夫人には、一般市民の感覚が伝わらないのも無理のない話かもしれないが・・・

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