最初に物事に取り組む時には、まず構想をしっかりと立てることが大事だ。特に大きなことに取り組む時には、時間的にも作業的にも長丁場になる。そのような事に対しては途中で何段階ものステージを経ねばならず、それぞれの段階で何を行うのか?そしてそれらをどう組み合わせるのか?という全体の骨格をしっかりと構成しないと、出来上がったものがちぐはぐになってしまう。序盤は構想力の勝負になる。
しっかりとした骨格を構成した後は、その骨格に従いつつ具体的な実行に移ることになる。頭の中だけで終わらせず、まず動く。それは体を使うということかもしれないし、ペンを持つ手を動かすということかもしれない。とにかく行動しない事には始まらない。「考えたら、すぐ実行!」、これは当たり前の事だが、意外とこれが出来ない人が多い。あれこれと妄想するだけで全く動かない人。他人にはいろいろと口出しするが、自分は全くかかわろうとしない人。これらはある意味、自分は安全地帯にいようと考える事から出て来る行動だと言える。しかしこれらの人は、重要な事に気づいていない。それは「安全地帯にいる=現状維持を目指す=没落へと進む」ということだ。現在の安全地帯もいずれは危険地帯に変わる可能性は大いにある。むしろ危険に飛び込む事こそ、後に安全を手に入れられることにつながることもある。人生において新たな事に挑戦しない者は、人生をやり切ってもう何もすることはないという人だけでいい。挑戦しない若者、あるいは何も成し遂げていないのに挑戦しようとしない人は、廃人同然だ。
物事を実行しある程度形が出来上がったら、後は押し込んで仕上げるのみだ。仕上げるのにも実行は不可欠だが、そこまでたどり着いたということはかなり勢いがついている。その勢いに任せて最後の一押しをしよう。その一押しをしないと完成のタイミングを失うことになる。どこで完成させようかと考えるのではなく、今完成させるのである。しっかりと構想をし、積極的に実行していけば、かなりのものが出来ているはずだ。そこまで行けば自信を持っていい。そしてそれを完成させれば、さらに自信が持てる。そしてその自信を次のステージへのスッテップアップの足場とすればいい。
「構想→実行→完成」の一連の流れを頭に入れておけば、途中で迷った時にもすぐにそこから抜け出せる。しかしそれが出来ていなければ、「思い付き→その場だけの取り組み→形にならない」ということの繰り返しになってしまう。起承転結ではないが、物事にはそれぞれのステージでそれぞれの仕事がある。そして人生とはその流れの繰り返しである。しかしその繰り返しは決して退屈なものではなく、非常にエキサイティングなものである。もし人生を面白く感じられないのならば、この流れを掴んでいない可能性が高い。人生のルーティンをしっかりと確立し、自分の形を作ることが非常に大切である。