僕は本屋巡りをほぼ毎日の日課としている。専門書や洋書は大型書店やAmazonで購入するので、近所の本屋さんでは新書や文庫本、雑誌などをメインに立ち読みしたり購入したりしている。最近は新書の購入が多いが、新刊本をチェックしたり掘り出し物を見つけるのは日常のささやかな楽しみである。
人間の興味などは突然変わるものではないので、本屋に行くと大体毎回同じコーナーに陣取る事になる。それはそれでいいのだが、少し気分を変えて普段自分が足を運ばないようなコーナーに行くのも非常に良い。意外とそういう所に新しい発見があったりして、新しい世界が広がることがある。僕ならば最近は経済書コーナーや法学書コーナーに足を運ぶことがあるが、以前はそのようなコーナーは無視していたところであり、そこに足を運ぶことにより新しい見地を得られることになった。興味のレパートリーを増やすと抱えるものが多くなり大変であるが、その重さは自分の人間性の幅に比例するものであり、それを抱え続けることにより知的基礎体力が付いていくことになる。
気になった本は、お金が許す限りどんどん買えば良いと思っている。僕もこれまで相当な量の本を買い、本棚には専門書をはじめ様々な本が並んでいるが、例えそれらの本を全て読まなくても、背後の本棚に広がる本たちは自分の知性のバックグラウンドだと思っている。本棚を見ると、大体その人の興味や嗜好、知性がうかがえる。そしてそれらの本は、いざという時に自分の窮地を救ってくれる相棒でもある。
近年は極度の出版不況であると言われている。出版不況という事はそれだけ人々が本を買っていないという事であり、それは国全体の知性の低下につながってくると考えられる。お金がない時に何を節約するか?それは人それぞれ様々であろうが、もしかしたら多くの人はそのような時に本代を節約するのかもしれない。しかし自分の人間性の立脚する基礎となるものは書物であり、本代は決して無駄にはならないと考えている。節約する中でも、本代は何が何でも死守したいものである。