氷山の一角から、その下を暴き出す。

社会においても学問においても、目に見えている部分は氷山の一角だ。研究者はその氷山の一角を見て、その下はどうなっているかという事を追究するのが仕事だ。もちろん氷山と同じで、その下の見えない部分の方が圧倒的に大きい。しかし水面に出ている1割から水面下の9割をどう暴き出すか?そこが研究者の腕の見せ所である。

高校までの数学は、水面に出ている1割に過ぎない。なので本格的に数学を追究しようと思えば、大学レベルの数学を勉強することは必須だ。その中でも、大学一年で学ぶ線形代数と微積分はそれらの全ての土台となる。そしてそれらを縦横無尽に使いこなして水面下へと迫ることになる。

水面下の氷山はどのようになっているか?多くの場合、それは驚くべき形態を取っている。水面上とはまるで違う表情をしているのだ。ただはっきりと言えることは、違う形態を取っているとは言え、水面上の見える部分とは連続的に繋がっている。これは数学に限らず、全ての学問に言える。もしそこが繋がっていなければ、水面下を追究すべき手が無くなってしまう。しかし必ず何らかの形で繋がっているのだ。

現在、人間が認識している数学は果たして全数学のうち何割か?1割なのか?1%なのか?もし数学に無限の広がりがあるのならば0%という事になる。これらの事は答えようのない問いである。何に取り組んでいても、水面に見えるところだけを見ていては本質は掴めない。本質を掴むためにどこまで水面下に迫れるか?学問とはそういうものであると僕は考えている。

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