一週間ほど前、ワクチン接種推進担当大臣の河野太郎氏は、ワクチン予約の混乱について「完全に僕の失敗だ」と自身の失敗を認める発言をした。この発言を聞いて、僕だけでなく多くの人はこう感じたに違いない。「この人は信頼するに値する人間だ!」。自身の失敗を率直に認め、河野氏はこれからの政策改善に向けて大いに進んでくれるだろう。このような河野氏の姿に対して、どうしてもこの人と対比してしまう。菅氏だ。菅氏は保身に終始して、会見に対してもろくな受け答えができない。そして自身の失敗を一切認めようとせず、責任を全て周りの人間に押し付けようとする。聞こえの良い言葉を発しては、それをどのように実現するか?と言う策に関しては一切ない。そして追い込まれて決めたことに対しては、「誰々が言ったから」と全く無責任な発言をする。本当にこんなにも無策無能の総理は生まれてこの方見たことがない。酷かったと言われる民主党政権下での鳩山・菅(カン)政権でもここまで無責任ではなかった。僕自身、これまでは基本的には自民党政権を支持してきたが、菅政権下での自民党は全く支持できない。
このような事態の中、河野氏の立派な発言を聞いたものだから、河野氏が救世主のようにも見えてくる。これまで僕は石破茂氏を支持していると公言してきたが、これからは河野氏も積極的に支持していこうと思う。人間と言うものは、たった一言の発言に人間性が現れるものだ。河野氏の発言は、国民受けを狙ってのもののようには全く感じない。いや、そのような事を考えるのならばむしろ自身の責任を否定したはずだ。そして例えそれが考えて用意した言葉であるのならば、政治家としては非常にセンスのあるものだと言える。どちらにしろ、自身の責任を率直に認める河野氏の姿勢は、近年の政治家には全くなかったものだ。とは言え、人間性だけで政治ができるわけではない。しかし河野氏は政治政策能力も十分に持ち合わせていると僕は感じている。
安倍首相は政策実行能力は非常に高かったが、森友・加計問題で大きく信用を失った。それは自身の失敗を全く認めようとしない姿勢に由来する。そして菅氏は政策実行能力が全くないうえに、失敗を全く認めない所だけは安倍氏を引き継いでいる。しかしこれまで菅氏を持ち上げて来たマスコミにも責任はある。実家がイチゴ農家だから人柄が信用できるとかさんざん持ち上げて来た。それによって総理就任当初は支持率爆上げであった。しかし僕は、菅氏の総理就任数日後に「菅政権は間違いなく短命に終わる」と言うブログ記事を書いた。それにはしっかりとした根拠がある。それは、菅氏の官房長官時代の仕事ぶりをしっかりと見ていたからだ。しかし多くの人は、菅氏の官房長官時代の仕事ぶりを見て総理もしっかりと務まるだろうと考えたのだろう。しかし僕の結論は全く逆だった。確かに菅氏の官房長官時代の仕事ぶりはまさしく特筆すべきものであった。しかしそこには菅氏の意見や展望が全く見えなかった。官僚の作り上げたシナリオを読み上げるだけだと感じたのだ。確かに二番手ならそれでいい。そして菅氏は有能な二番手だったと言える。しかしトップに立つべき人では全くなかった。トップは指示を出す側の人間であり、全ての最終判断を下さなければならない。しかし菅氏は官房長官時代には、少なくともそのような事をした記憶はなく、そしてそれができるようには到底思えなかったのである。
これまで僕は石破総理を待望していたが、今の石破氏の置かれた立場を見ればそれはかなり厳しいのが現状である。しかし河野氏は現時点で総理を狙える位置にいる。それならば河野氏には次期総理に積極的に挑戦してもらいたい。僕自身も河野太郎総理を待望している。そしてそれの実現化はかなり近い未来にあると僕は考えている。