現代社会では、不平等の是正は急務である。現在でも大きな問題である人種差別から男女差別などは最も是正しなければならないことであるが、そのような大きな問題でなくても是正しなければならない問題は山積みだ。
しかし僕が最近非常に問題だと思っているのが、不平等ならぬ“偽平等”だ。偽平等は平等の顔をして広まってくる。確かに問題のある不平等は是正しなければならないが、今問題なのは“表面的”な平等である。
そもそも不平等を是正するためには、まずそれのどこが問題なのかということを表面化しなければならない。それによって改善の方向性が見えてくる。しかし改善の方向性を示さずにただ不平等を解消しなければならないというだけでは、その先は偽平等になる危険性がある。偽平等は時には不平等よりも危険な存在になり得る。
平等と横並びは似て非なるものである。これを混同してしまえば、多くの発展を犠牲にし、多くの才能と多くの自由を奪い去ってしまう。さらに偽平等が蔓延してしまえば、その先にあるのは監視社会であると僕は考えている。
平等とは肉体と精神の自由をもたらすものでなければならない。人間の思考と行動の自由を束縛する偽平等はこの世の中にはいらない!