脳と体を鍛える。

昔、「脳を鍛える」(立花隆著)という本があった。読んだのはずいぶん昔(20年以上前)なので内容をはっきりと覚えていないが、科学や社会の事に言及した面白い本であったことを覚えている。立花隆氏と言えば、「田中角栄の金脈と人脈」と言う報告記事で当時の田中角栄首相を内閣退陣まで追い込んだ凄腕ジャーナリストだが、科学に関しても非専門家としてはかなり博識な人である。「脳を鍛える」では、当時まだ大学に入る前の僕にとってはかなり面白く知的刺激に溢れることが書かれていた。

立花隆氏は、スペシャリストかつジェネラリストという二つの側面を兼ね備えたオールマイティーな人間である。ジャーナリストという圧倒的な専門があるからこそ、そのような足場を基に広がる科学的記事にも圧倒的説得力を持つ。立花氏とは専門は逆だが、科学の専門家に対しても、科学のスペシャリストというだけではなく、ジャーナリスト的な側面を持つことは重要ではないかと強く思う。「政治や社会に対して鋭く切り込む」、そのような科学者がたくさん出て来るべきではないか?政治や社会に対しても、科学者という視点からでないと語れないことがまだまだたくさんあるように思えてならない。

そのように科学者が他分野に切り込むためには、脳だけではなく体も鍛えなければならない。それは何も筋トレをすべきだと言っているのではなく、人間としての基礎体力を高めなければならないと言う事である。もちろん、そのような基礎体力は、脳による知力と連動している。なので、脳と体は同時に鍛えなければならない。そしてそのように多方面に切り込むためにはストレス耐性も高めなければならない。なぜなら、様々な所に切り込む過程では、様々な事に遭遇し、様々なストレスを受けることは避けられないからだ。僕自身、ストレス耐性は強くなく、ちょっとしたことでストレスを受けることが多々ある、ストレス耐性を高める特効薬というものはないと思うが、意識の持ち方、日々の生き方次第で、ストレス耐性も少しぐらいは高めることが出来るのではないかと思う。

人間として、まずは専門を持つことが必要だ。ジェネラリストになるためには、まずはスペシャリストにならなければならない。僕はスペシャリストでないジェネラリストなんて存在しないと思っている。まずは自分の専門を持たない事には説得力がない。「スペシャリスト=脳」と「ジェネラリスト=体」の双方を鍛えるために、日々挑戦を続けながら人生を進めて行く。

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