最近発売された、新型レクサスESのクラッシュテストの動画を観た。近年の自動車の安全対策には目を見張るものがある。レクサスESのクラッシュ動画には正面衝突、側面衝突など様々な事案が想定されているが、衝突部分は壊れても損壊部分がクッションとなり室内はほとんど無傷である。そのような安全設計になっていることは話には聞いていたが、その安全度は想像以上である。
近年の自動車に関するもう一つの大きな話題は自動運転であろう。テレビを観ていると、自動運転のレベル3において運転手がスマホを操作することも読書することも容認されるというニュースが流れていた。レベル3とはレベル0からレベル5まで6段階ある上から三つ目のレベルであり、2020年の実用化を目指しているという。ただレベル3では緊急時には運転手が運転を変われる状態である必要があり、したがって飲酒や睡眠はできない。
自動車の安全対策と自動運転は切っても切れない関係がある。現在の安全技術の最先端である衝突回避などはそのまま自動運転にも応用できるものであり、安全対策と自動運転は近年の自動車技術開発の両輪である。それに最近は電気自動車の開発が加わる。この三つの自動車技術は未来に向けた研究開発から実用化へと移ってきている。このような急速な自動車技術発展は僕を含む多くの人にとっては予測不可能であったことであり、自動車関係者にとってもここまで急速な発展はおそらく想像できなかったのではないだろうか。
この様な急速な発展を実現できたのは、AIなどのITの急速な発展に起因する。ITの急速な発展も多くの人にとっては予想が出来なかったことであり、それぞれの急速な発展が相乗効果で互いに発展し合うという様相だ。
20年くらい前までは未来の技術に対しての予想はある程度可能であり、大まかにはそのように発展してきたように思う。しかし近年のITの発展は未来を予想することを困難にしているように思う。それほどITの影響は絶大なものになってきている。その一方、IT以外の技術はそこまで急速には発展していないように思う。あるいは大きく発展している場合は何らかのITとの融合によって起きている。
IT以外では、近年は生命科学の発展が大きい。その代表例は、遺伝子編集を行うクリスパー・キャス9技術であろう。遺伝子編集も人類の歴史を変える驚がく的な技術である。近年はそのような華々しい技術分野に目が行きがちであるが、それらの基礎となっているのは数学や物理という歴史のある科学分野であり、そのような基礎分野の地道な発展も見逃してはならない。