量子コンピューターが来る日は近いのか?

現在はIT社会、コンピューターがなければ何もできない状態になっているが、次世代、あるいは次々世代のコンピューターとして、「量子コンピュータ」という原理が考案され、研究されている。

現在のコンピューターは、それに対して「古典型」コンピューターとでも呼ぶべきであろうか。

現在の量子コンピュータの研究開発は、理論的研究はかなり進んでいるが、実用化にはまだまだほど遠い状況で、実用化には数十年かかるといわれている。

ところが去年、突然、とある量子コンピュータが発売された。「D-Wave 2」というマシンだ。厳密にいうと、このマシンは量子コンピューター研究開発の主流の論理ゲートを使ったものではない(すなわち計算していない)ので、意味的にはコンピュータではないのかもしれないが、量子コンピューターと似たようなことができる。

このようにして、科学技術は突如として、誰もが予想しえなかった飛躍が起きる。

そこで、1990年代に始まった、ヒトゲノム解析計画のことを思い出した。ヒトゲノム解析計画とは、人の遺伝子情報を全部読み取ろうという計画だ。この計画が始まった当初、全部読み終えるには数十年かかるとも言われた。しかし計画が進むにつれ、解析装置、実験機器の飛躍的向上により、10年ほどで完了した。

このように、長期計画にはその途上で予想しえない飛躍・技術の向上が起こることがよくあるので、何年かかるというような予想はあまりあてにならない。

このようなことは量子コンピューターにも当てはまるのではないかと思う。現在は電子一個を操作する量子論理ゲートの開発、すなわち量子コンピューターの部品を開発している段階だが、いつ、どのような飛躍が起こるかわからない。

実用化には数十年かかるといわれている量子コンピューターの実用化も、もしかしたら意外に早く来るかもしれない。

今から、ニールセン、チャンの本(量子コンピューターの世界的な教科書)を熟読するのも悪くないかもしれない。

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