現在の自民党・安倍政権は(最近は)かなり問題のある政権だと多くの人が思っていると思う。もちろん、安倍首相に関してはこれまで非常に大きな功績があるのは事実だし、現在も外交を中心に非常に効果を発揮していると僕は思っている。しかし何度もこのブロブで言及しているように、総理総裁三期九年と言うのが致命的な問題である。三期九年もすれば、誰もが半独裁的になる可能性があるし、またそれ以上に問題なのは、周りの人間が全てイエスマンになることだ。だから安倍首相がどれだけ良い政治家であるかに関わらず、総理総裁任期は二期六年にすべきだと僕は強く感じている。
とは言え、最近の安倍首相がどれだけ問題であっても、「代わりに野党が政権に」と言う声はほとんど聞こえてこない。それはもちろん、野党が安倍自民以上に問題があり、非力であるからである。本来はアメリカのような民主党・共和党二大政党体制が理想的なのかもしれないし、10年ほど前は日本でもそのような二大政党体制を目指して民主党が政権を取ったのだが、残念ながら当時の民主党の政策はあまりにも稚拙すぎ、また東日本大震災に対する失政などもあり、信頼をつなぎとめることはできなかった。
では、日本の政治の問題は、安倍自民が問題であり、さらに非力な野党が問題なのか?僕はそれだけではないと考えている。結論から言うと、日本国民自身も問題なのである。当たり前の事だが、政治家は国民の投票によって選出されている。なので政治家の資質は日本国民自身の資質でもあるのである。もちろん、選挙時だけの情報や候補者の目に見える活動だけでは判断しきれない所もある。しかし明らかに国民自身が問題であると言えることもいろいろある。
テレビ番組と言うものは、(少なくとも民放は)民衆の趣味嗜好を汲んで方向性が決められる。そのようなテレビ番組を見ると、最近は不倫などのスキャンダルを取り上げることが半ばブームのようになっている。すなわち、他人の上げ足を取ることばかりにメディアが、そして民衆が夢中になっているのである。これはどこかと似通っていないか?そう、国会である。野党は与党政治家の上げ足を取ることばかりに夢中になっている。僕自身、森友・加計問題を追及すること自体は無意味ではないと思うし、少し前の桜を見る会問題なども重要な問題である。しかしそれだけではいけない。それ以上に現実的・具体的政策を提言し詰めて行かなければならない。もちろん野党もそのような事は分かっていると思う。しかしそれが国民には伝わってこないのである。その原因は僕はむしろ国民側にあると考えている。
今の安倍自民一強体制は明らかに変えなければならない。しかしそれに代わる野党があまりにも非力すぎる。そしてその原因は日本国民にある。メディアは人の上げ足を取ることばかりに夢中になり、国民はそれを楽しく笑っている。今年のお笑い大会・M1グランプリでは、人を傷つけない優しさのある笑いがブームになった。優勝したミルクボーイ、そして準優勝したぺこぱがまさしくそうであった。このような流れは、日本と言う国を必ず良い方向へと導くと僕は思っている。しかし国会などの政治の世界では、まだそのような流れは入り込んでいない。なぜなら、国民が選挙で政治家を選び、そしてその政治家が政策を掲げ実行するまではかなりのタイムラグがあるからである。なので、今の政治の世界がそのように変わるまでにはまだ5年以上かかるのではと僕は考えている。
今、新型コロナによって日本が、そして世界が危機的状況に陥っている。なので人の上げ足を取っている場合ではない。一刻も早く対策を実行して人々を救わなければならない。もしそのような事が今十分にできれば、コロナ禍が去った後には政治の世界も大きく変わると僕は考えている。そしてそのように政治の世界を変えるためには、まずは国民の意識を変えなければならない。急速に変えられることではないが、このように変革することは僕は可能であると思っている。