なぜ面白いのか?

何事も、面白いのには理由がある。と思い、僕がなぜ数学や物理が好きなのか?そして数学と物理はなぜ面白いのか?このようなことを考えてみたが、しかしなぜ面白いのかよくわからない。確かにとてつもなく面白いのだが、その理由を考えてもはっきりと思い浮かばない。もちろん面白い理由をいろいろ並べることは簡単にできる。しかし自分がどう感じ、そしてどのような理由で面白いのか?と言う事をしっかりと考えれば考えるほどわからなくなる。

しかしここ数年で一つの大きな変化があった。僕は小学生のころから理科と数学が大好きだった。しかし数学と物理(理科)のどちらが好きかと言われれば、間違いなく物理の方が好きだった。大学で数学科に進んだのも、物理は独学でやって、数学は大学で学ぼうと言う考えからだった(その計画は大幅に狂ったが)。しかしここ数年、僕の中で物理より数学の割合の方がより大きくなってきた。そして今は物理より数学の方が好きだと言う感情の方が強くなった。その理由はいくつかあるが、その中の一つは数学の全体像がはっきりと見えて来たからである。もちろん、数学と言うものは巨大な学問であり全てを把握できるほどちっぽけではないが、少なくとも代数・幾何・解析の本質はかなりつかめて来たと思う。以前は数学と言うものに対して捉えどころのない複雑さを感じていたが、今は数学が手中にあるような感覚がある。

今、いくつかの問題に取り組んでいる。本当は一つの問題に集中すべきなのかもしれないが、今の僕は複数の問題を同時進行で進めることに面白さを感じている。そしてそれらの中には、数学や物理以外の問題も含まれている。例えば進化生物学や数理脳科学、そしてコンピューター科学に関する問題だ。もしかしたらいくつかの問題が一斉に解決するかもしれないと言う感じもしている。

しかしもちろん核となる問題はある。その問題に取り組むことによって数学の本質を掴むことができたし、そしてそれによって物理とは何者なのかと言う事もはっきりと見えて来た。数理物理とは数学なのか?物理なのか?そんなことはどうでもいい。それらの本質がつかめて面白ければそれでいいのである。しかし面白いと言うのは常に楽しいと言う事ではない。時には非常に苦しい時もある。それも含めての面白さであると感じることができたとき、物事の核心に迫れるのではないかと僕は強く感じている。

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