パソコンからの情報漏えい

最近何かと情報漏えいが問題になる。以前のベネッセから最近の年金情報漏えいまで、頻繁に情報漏えい問題のニュースが流れている。企業の情報漏えいは企業の存続にもかかわる問題で、ベネッセも経営に非常に大きな打撃を受けた。年金情報漏えい問題に至ってはわれわれ国民の誰が被害を受けているかも明らかではなく、不気味で国の信用問題にも関わってくる。

この様なこともあり、国の、そして国民・企業の情報に対する意識は高まっているが、ひとつ情報ダダ漏れで社会で問題になっていないものがある。電話帳だ。電話帳は数百万件、あるいはそれ以上の情報の塊であり、情報漏えい問題がここまで問題になる割には電話帳が全然問題にならないのが僕は不思議でならない。

実際、振り込め詐欺などの詐欺事件で標的を探す場合にはほとんど電話帳が使われているそうだ。最近は携帯電話やスマホも非常に普及しており、このような悪用を考えると、もう電話帳の役割は終えたのではないかと思う。電話帳はご丁寧に全国各家庭に配布される。全く個人情報のまき散らしとしか言いようがない。

そして最近問題になっているのがパソコンからの情報漏えいだ。パソコン上の情報やファイルはクリック一つで消去できると思っている人が多いらしい。しかしそれは全く違う。デスクトップ上で消去してもハードディスクドライブ(HDD)内には情報は全て残っていると言ってもいい。最近は数千円出せば情報を全て復元できる機械が手に入るそうだ。パソコンを初期化しても以前の情報は残っているらしい。企業では業者に情報消去を依頼するところも多いが、その業者の情報管理意識が低ければ危険極まりない。

情報を完全に消去する方法が一つある。HDDを物理的に壊すということだ。つまりHDDを半分に折ってぶっ壊してしまう。これが一番原始的で一番確実な消去方法なのである。しかしHDDは非常に頑丈で簡単には壊せない。そこで最近はHDDを壊す専用の機械が20万円くらいで売っているらしい。個人で買うには高いが、企業が使う分には十分価値はあるだろう。

情報機器という最先端テクノロジーが最後に行く末が物理的に壊すことだというのは、仮想の世界から現実の世界に戻されたような気がして、現在のIT万能社会から目を覚ましてくれるような気がする。

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