一般相対性理論、誕生百周年

今年はアインシュタインが一般相対性理論が発表されてから約100年になる。一般相対論関連の論文は1914年あたりから出ているが、決定的な確定打となった論文は1916年、つまり厳密には100周年は来年になる。

その1916年の論文は、当時論文言語として主流だったドイツ語で書かれている。アインシュタインは当時は確かベルリン大学の教授だったと思う。

ところでアインシュタインの相対性理論には2種類ある。「特殊相対性理論」と「一般相対性理論」だ。名前とは裏腹に、特殊相対論の方が一般的で、一般相対論の方が特殊だと言われている。1905年の特殊相対論はとてつもなく革新的だった。そして1916年の一般相対論も非常に革新的なのだが、それに加えてとてつもなく壮大な理論だ。壮大さでは一般相対性理論の右に出る科学理論は存在しない。

アインシュタインは特殊相対論で時間と空間を合体させ、時空という概念を作った。そして一般相対論で重力を時空のゆがみであると提唱した。

多くの理論が数年で消えていく中、この両理論は今でも基礎理論として色あせることなく生き残っている。アインシュタインの先見性は驚くべきものである。

20世紀は物理学の世紀とも言われている。特殊・一般相対論、そして量子力学を基礎として、物理学は大きな飛躍を遂げた。

そしてアインシュタインがもう一つもたらしたものは、「物理学の数学化」だ。これはヤン・ミルズ理論によっていっそう拍車がかかり、最近の超弦理論などは物理というよりむしろ数学だ。この数学的物理理論は本当に正しいのだろうか。

最近は素粒子論研究者の多くが超弦理論に流れ、その比重が偏りすぎているように思える。超弦理論へエスカレーターがつながっているかのような様相だ。既存の分野を覆すような革新を起こすような、オリジナリティあふれる研究に取り組むような学者がもっと増えてきてほしいものである。

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