存在そのものに価値がある、”岩波文庫”。

近年、出版不況と言われているが、今でも膨大な数の新刊本が出版されている。その新刊本のうち、読む価値のある本がどれだけあるかと言われれば、ほとんどない。

しかし、読む価値のある本が集められている文庫がある。岩波文庫である。

岩波文庫には、基本的に新刊本は(ほとんど)存在しない。過去の名著ばかりが集められているからだ。分野の幅もしっかりしている。僕が岩波文庫でお世話になっているのは、主に哲学書。ギリシャ・ローマ時代から、近世・近代ヨーロッパ哲学、そして京都学派を中心とする日本哲学。どれをとっても一冊を何度も繰り返し読むのに値する名著ばかりだ。

岩波文庫の存在は、日本の文化レベルの高さを表している。岩波文庫の存在そのものに価値があるのだ。

どの分野でもいい。岩波文庫の中の一冊を熟読するのは悪いことではない。

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