昨今の日本人による日本称賛に、危機感を感じる。

最近メディアでは、何かと日本称賛をテーマとする話題が多い。テレビ番組然り、ネット記事然りである。

海外で日本が称賛されることは、非常に喜ばしいことである。それによって、日本の美徳が発見されることもある。日本がこれからも世界で評価される国であり続けることは簡単なことではないが、不可能な事でもない。これからも日本が世界で評価され続けることを願うばかりである。

しかし、最近の日本人自身による日本称賛はいかがなものかと感じてしまう。自分で自分を称えるのは、大概の場合自己満足である。このような日本人自身による日本称賛に酔いしれている日本の現状に、危機感を感じる。

確かに現在の日本の文化的・国民的水準は高いレベルで維持している。しかしその水準をこれからも維持するためには、自らを厳しい眼で見つめることが大事である。

これまで日本人は、自らに対して過度に厳しいくらいの態度を取り続けてきた。時にはそれは自虐的とも言えるくらい厳しいものであった。しかし最近はそのような厳しさは緩んでいるように思える。

人に対する優しさは、自分に対する厳しさである。そしてその逆も言える。他人に対して厳しい人は、大概自分に対して甘く保身的である。最近の日本及び日本人は、残念なことに後者の方に傾きつつある。

他人・他国からの称賛などは、軽く流していればいい。その一方、自分・自国に対する厳しさは常に持ち続けなければならない。そうでないと自分・自国に対する高い水準は維持できない。

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