根っこと先端の両方から攻めて行く。

学問というものは、基礎の積み重ねが大事である。従って学問の知恵というものは一朝一夕では築き上げることはできない。しかし、下からの積み重ねばかりではいつまで経っても最先端の現場にはたどり着けないこともある。そのような時はいきなり先端に飛び出るのも一つの手である。

とは言え、先端に出るためにはある程度の積み重ねが必要であることは言うまでもない。いきなり初心者がプロの中に入り込むことはできない。なので、先端に出るという手はセミプロ以上のレベルになって使える手であると言える。

以上は主に学問に対する話であるが、社会では初めて行うことにおいてもいきなり現場に飛び出ることが要求されることがある。また、「思ったら、考えたら、即実行」という精神が多くの場合大きな成功を生むことになる。そういう意味で、いきなり最前線に飛び出るということは非常に重要である。

学問の話に戻るが、近年のネットの発達によって、最前線の知識を得ることは容易になった。素人でも最新の論文を入手できる。数学や物理においては、最新の論文がarXivというサイトで全て公開されている。数学者や物理学者は論文雑誌に投稿する前にまずarXivにアップすることが通例になっている。時にはポアンカレ予想(幾何化予想)を解決したペレルマンの論文のように、論文雑誌には投稿せずにarXivだけにアップするということもある。arXivは誰でも家庭のパソコンですぐに見れる。非常に便利な世の中である。

基本的文献で根っこから攻め、arXivで先端を攻める。数学や物理ではこのような攻略法が行われているが、このような双方からの攻めはあらゆる分野に適用できることだろう。

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