日別アーカイブ: 2015年1月6日

量子コンピューターが来る日は近いのか?

現在はIT社会、コンピューターがなければ何もできない状態になっているが、次世代、あるいは次々世代のコンピューターとして、「量子コンピュータ」という原理が考案され、研究されている。

現在のコンピューターは、それに対して「古典型」コンピューターとでも呼ぶべきであろうか。

現在の量子コンピュータの研究開発は、理論的研究はかなり進んでいるが、実用化にはまだまだほど遠い状況で、実用化には数十年かかるといわれている。

ところが去年、突然、とある量子コンピュータが発売された。「D-Wave 2」というマシンだ。厳密にいうと、このマシンは量子コンピューター研究開発の主流の論理ゲートを使ったものではない(すなわち計算していない)ので、意味的にはコンピュータではないのかもしれないが、量子コンピューターと似たようなことができる。

このようにして、科学技術は突如として、誰もが予想しえなかった飛躍が起きる。

そこで、1990年代に始まった、ヒトゲノム解析計画のことを思い出した。ヒトゲノム解析計画とは、人の遺伝子情報を全部読み取ろうという計画だ。この計画が始まった当初、全部読み終えるには数十年かかるとも言われた。しかし計画が進むにつれ、解析装置、実験機器の飛躍的向上により、10年ほどで完了した。

このように、長期計画にはその途上で予想しえない飛躍・技術の向上が起こることがよくあるので、何年かかるというような予想はあまりあてにならない。

このようなことは量子コンピューターにも当てはまるのではないかと思う。現在は電子一個を操作する量子論理ゲートの開発、すなわち量子コンピューターの部品を開発している段階だが、いつ、どのような飛躍が起こるかわからない。

実用化には数十年かかるといわれている量子コンピューターの実用化も、もしかしたら意外に早く来るかもしれない。

今から、ニールセン、チャンの本(量子コンピューターの世界的な教科書)を熟読するのも悪くないかもしれない。

テーマは後からついてくる

何か研究を始めたり、物事を始めたりするとき、大概初めにすることは「テーマ」を決めることではないだろうか。しかし、初めにテーマを決めると、その後に続くことが限られる。やることを絞るという意味ではテーマを決めることは有用だろうが、その反面、可能性まで狭めてしまう。

理想的なのは、やっているうちに勝手にテーマが定まっていたという状況だと思う。つまり、テーマが後からついてきているということである。

初めにテーマを決めるときによくありがちなのは、他人に決めてもらう、研究なら指導教官に与えられるということではないでしょうか。しかしそれは所詮他人のテーマであり、自分自身の真のテーマではない。

後からついてきたテーマは、自分の身に付いたテーマでもある。自分で見つけ出したに等しい、自分自身の真のテーマである。

もちろん、最初に仮のテーマを設定して、すべきことを見つけるという手もある。

テーマの設定次第で、オリジナリティの大きさに大きくかかわってくる。

自分自身の真のテーマを見つけ、その課題を達成した結果は、オリジナリティのある成果に違いない。

人の物まねではなくオリジナリティにこだわるならば、初めにテーマのとらえ方が大事なのである。