日別アーカイブ: 2015年8月17日

芥川賞・又吉さんへのタメ口取材の犯人捜しをめぐって

最近は芥川龍之介賞を受賞した又吉さんの話題で持ちきりだ。そこで一つの出来事が問題になっている。又吉さんに取材した女性記者が又吉さんにタメ口で取材を続けたことに又吉さんが不快感を表した。又吉さん自身はその人物の対して特定する情報は一切流していないが、ネット上では不確定な情報に基づく犯人探しが起こっている。

そこで一人の女性芸能記者が犯人だとされ、その情報がネット上で急拡散しているのだ。実際はその情報は間違っているとほぼ断定されている。おそらくネット上で一人が推測し掲載したネット情報がツイッターなどで拡散したものと思われる。その人物のまとめサイトまでできているという。

この手の無関係者に対する犯罪者扱いは最近頻繁に起こっている。そこで問題になるのがネットモラルというものであろう。最近の、特に若い人は、ネット検索でわからないことは全て知ることができると信じている人が多い。そして一番の問題は、ネット上の情報が全て正しいと信じ込んでいることだ。これは非常に深刻な問題である。ネット上の情報は疑ってかかることも重要だ。簡単な例を挙げると、そのネット情報の出所は信頼性の高いところかということを気にすることだ。

信頼できる情報にはほとんどの場合、出典、そして執筆者の名前がはっきりと明らかにしてある。それはその情報に関して執筆者が責任を持ちますよという意思表示である。出典・執筆者を隠している情報は怪しい可能性が高い、あるいは不確実である可能性が高いということは言うまでもない。僕のこのブログに執筆者(私)の名前を明らかにしているのも、執筆内容の責任の所在を明らかにするためだ。匿名でネット上にでたらめな記事を書くのは卑怯を通り越して犯罪行為である。そして今回の出来事のようにツイッターでツイートしている人も、気軽な気持ちでしているのだろうが犯罪行為に加担していると判断される可能性は高い。

ITに関するスキルは大人よりも若い人、子供の方が圧倒的に高い。そのために大人が若者・子供にITモラルを伝えることが非常に難しくなっている。しかし大人たちは、自分はITに詳しくないから関係ないよ、という無責任な態度をとるのではなく、大人も積極的にITの仕組みを勉強し、若者・子供にITモラルを伝えられるようにならなければならない。

ウィルスセキュリティソフト会社が同業者・末端利用者を攻撃?

ウィルスセキュリティソフト会社が自らウィルスを作成し、ライバル業者・末端利用者を攻撃していたというニュースが入ってきた。まだ真偽のほどは定かではないが、IT機器に対するセキュリティ意識を改めて問われる機会になったのではないかと思う。

ここで注目は、この会社がロシアの企業であるということだ。言うまでもなくロシアは中国と並んで共産主義国、何かと怪しいことが多い。中国は情報統制など民間に公的機関が介入することが多く、民間企業をコントロールしようとしている。白物家電ならともかく、IT機器などを利用する場合は中国製には気を付けた方がいい。最近では中国のレノボのパソコンに出荷前にウィルスが組み込まれていたことを思い出す。レノボは米IBM社のパソコン事業を買収して急成長したことで有名であり、その元IBMブランドを信用して購入する人も多いが、この事件で信頼性は一気に揺らいだ。そして今回の事件である。もしこの事件が本当ならば、ウィルスセキュリティソフト会社がウイルスをばら撒くという前代未聞の出来事である。

中国は世界第二の経済大国になり、ロシアも大国ではあるが、国家の信頼性は二国ともまだ底辺レベルのようだ。商品が安いに越したことはないが、その安さがリスクとのトレードオフになっていないか、生産国などに注意して考慮しなければいけない。