日別アーカイブ: 2020年5月17日

コロナとの共生。

現在、新型コロナによるパンデミックの出口は見えてこない。それもそのはずである。まだ人類と新型コロナとの歴史はたった半年。まだワクチンの開発も始まったばかりだし、少しずつコロナ治療に効果的な既存薬もポチポチと見つかってきつつあるところだ。しかしこのような状況が永遠に続くわけではないし、どこかで出口が見つかることはほぼ確実(97%くらい)だ。

しかしその出口がいつになるかはまだ確実に見通せてない。ワクチン開発は一年程で完成するはずだと言われているので、一年半後くらいには解決している可能性は高い。しかしそれも希望的観測である。もしかしたら数年数十年コロナとの戦いが続くかもしれない。どちらにしても、パンデミックが解決するまではコロナといかにうまく付き合うかと言うこと、つまり共生を考えなければならない。もちろん、気分の良い共生では全くないが。

では共生とは具体的にはどのような事であるか?それは一番には、感染者の数を常に医療のキャパシティ内で収めると言うことだ。最近「ハンマー&ダンス」と言う言葉が生まれている。つまりハンマー(都市封鎖によって抑え込む)とダンス(都市封鎖の解除による自由によって感染者が増加する)を繰り返すことによって、感染者の数を医療のキャパシティ内で収めるモデルだ。感染の数理モデル的に、民衆の大部分が抗体を持つまでは流行が収まらないことがわかっている。そして抗体を持つには二つの方法しかない。一つは感染すること、そしてもう一つはワクチンによって人工的に抗体を作ることだ。そしてこのように多くの市民が抗体を持つまで、ハンマー&ダンスを繰り返すことが必要になる。その間は、いかにうまくコロナと付き合うかと言うことが一番重要な課題である。

ただ、ワクチンができないと何も解決しないかと言えばそうではない。有効な治療薬が現れるという可能性も十分にあるからだ。つまり治療薬によってコロナは恐ろしい病気ではなくなり、もし感染してもほとんど死ぬことはなくなると言うことだ。しかしこれもあくまで治療のための手段であって、予防するワクチンとは役割が質的に違う。しかし近い将来、新型コロナが季節型インフルエンザ的な認識になる可能性は十分にあるし、もしかしたら天然痘のように絶滅させることもできるかもしれない。しかし楽観論だけではいけない。ウイルスには突然変異がつきものである。いつコロナが強毒化するかもわからない。未来のことは確実に見通せないが、パンデミックが終息するまでは可能な限り良質(つまり被害の少ない)共生をすることが求められる。