普段生きていると何かと心配することが出てくるが、ほとんどの事は9割9分大丈夫である。もちろん何事においても100%大丈夫ということはありえない。しかし99%は大丈夫なのである。
では残りの1%をどう捉えるか?ここにそれぞれの人間としての器が現れる。結論を言うと、「残りの1%が起きた時は潔く諦める」ということである。1%の危険性にこだわり、悩み抜いたところで何も始まらない。この1%のことを考える暇が合ったら、残りの99%の事をポジティブに捉える方がはるかに建設的だ。
しかし日本人の特性として、「この1%が起きた時はどうするつもりだ?」と問いかける人が多い。もちろん安全性が高まればそれに越したことはない。しかし最も重要な事は、「99%の事をポジティブに捉えることにより、1%の危険性がより低くなる」ということである。近視眼的に目先の危険性だけ考えるのではなく、広域的に物事を捉えることが重要なのである。
では、これらの事に関して一例を挙げよう。現在よく話題にのぼる自動車の自動運転に関してだ。現在は自動運転はまだ開発段階であるが、2020年には実用化されるという話もある。自動運転で一番問題になるのは、事故が起きたらどう責任を取るのかということだ。自動運転の実験で一つ事故が起きると大問題になる。しかし生身の人間が運転する自動車は膨大な数の事故を起こし、決して少なくない数の死者が出ている。しかしこちらの方は自動運転の事故に比べてあまり話題にならない。その証拠として、皆は年間何人の人が交通事故で亡くなっているか記憶にあるだろうか?
自動運転の場合、最大の目標は人間が起こす事故率よりも自動運転の起こす事故率を低くすることである。もちろんゼロにすることはできないであろう。そして実験段階では一時的に自動運転の事故率の方が高くなるのかもしれない。しかしそれを問題にしすぎて解決の糸口を見いだせないようであれば本末転倒だ。将来の自動運転事故率の低下を目標に、慎重に実験開発を進めるしかない。
少し話が逸れたが、自分自身の事に対しては1%の危険性を気にしすぎるのではなく、99%の事をポジティブに捉えることを心がけたいと思う。そのようなポジティブシンキングによって、自分の未来を開拓していきたいものである。