GoToキャンペーンは狂っていた!

コロナ禍はますます広がっている。感染者は過去最多を記録し、このまま無策を続けていれば深刻度はますます深くなっていくと考えられる。その中でもわずかな光は、最近数件のワクチン開発が上手くいっていると言う報道であろう。僕は二件のワクチン開発のニュースを把握しているが、どちらも有効性は90%以上だと言われている。有効性が90%だと言う意味は、ワクチンを打たなかった場合100人感染するとすれば、ワクチンを打てばそのうち90人以上は感染を免れるであろうと言うことだ。また製薬大手ファイザーは、ワクチンの緊急使用をアメリカ当局に申請していると言うニュースもある。そうなればワクチン配布開始までの日程が前倒しされるかもしれない。このニュースを含め、全てが上手く進んで行くことを願うしかない。

日本医師会の会長は、GoToキャンペーンがコロナ感染増のきっかけになったと言う見解を示した。これに関しては、医療研究者のみならず、多くの国民も同様の事を考えているだろう。僕自身もGoToキャンペーンが始まったころ、そのことに対する懸念をブログで書き表した(下記リンク記事、7月17日)。

GoToキャンペーンは安倍内閣時に始まったものであり、安倍前首相の責任は大きいが、そのまま放置し続けている菅内閣の責任ももちろん大きい。この責任を誰が取るのか?おそらく誰も取らないであろう。何しろ安倍前首相はこれまで不祥事が起こるたび、何度も「責任を痛感している」と言い続け、一度も責任を取ったことがない。成功は上司の成果、失敗は部下の責任と言うことを実行し続けてきた。そのもとで官房長官を続けてきた現首相の菅氏はそれ以上の無策である。打開先など期待できない。

そう、全ての根源は、「上司の成果、部下の責任」と言う姿勢から来ているものだ。部下に責任を押し続けながら、成果が出れば自分のものにする。それが現在の日本の政界の現状である。「郵政をぶっ壊す」と言って乗り込んだ小泉氏の時代が懐かしい。息子の進次郎氏はそれ以上の事を実現できるであろうか?僕はそれに非常に期待している。しかしそれまでは石破茂氏の良識に懸けるしかない。とは言え、石破氏は現在自民党の中で冷や水を飲ませ続けられている。民主主義は決して多数決一辺倒ではないと思っているが、国民に一番支持されている石破氏が国会議員内での不人気で執るべき位置にいられないのはどう考えてもおかしい。これが日本政界の現状である。

これまで民主主義は善と教えられてきた。そして僕も例外に漏れず、そう思い続けている。民主主義体制は死守すべきだ。しかしおかしいところは変えて行くべきでもある。それは民主主義を否定するのではなく、より強固で理想的な民主主義に変革していくためである。もしかしたら完全なる理想などは無理なのかもしれない。しかし理想を捨ててしまえば残るは没落である。

4年前、トランプ氏が大統領になってから明らかに民主主義がおかしくなってきた。それに影響されてか、安倍自民による民主主義もどこか狂い始めた。そして菅自民は何もできていない。菅氏がやったことと言えば、携帯料金引き下げの圧力くらいである。今しなければならない政策の一丁目一番地は間違いなく経済を含めたコロナ対策である。しかし目先の状況ばかりにとらわれて、中長期的展望が決定的に欠けている。現金のバラマキは良くないと言われるが、GoToキャンペーンなどするくらいなら、その資金を観光業界にばらまいた方が少しはマシだったのではないかと思える。今の経済状況に対して対処療法的なGoToキャンペーンをすることにより感染拡大を招き、中期的には経済状況をさらに悪化させようとしている。それが現在の日本の状況である。

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