21日、TBS「ニュース23」で、福島第一原発の特集をしていた。その中で、解説者が福島県立福島高校の男女学生8人と、福島第一原発へ視察するというコーナーがあった。福島第一原発敷地内は、今でも18歳以下の未成年の構内立ち入りは禁止されているのだが、今回は放射線の線量も下がってきたこともあり特別に許可されたそうだ。とは言え、現場に出るのは危険が伴うため、バス内からの視察となったようだ。
高校生らは「福島県民」という「当事者」として、原発を含めた福島の現実を伝えなければいけないという使命感もあり、そのための正確な現状を知るためにも原発視察に参加したようだ。十代の若者たちがそこまで考えていることに、これらの8人の高校生には本当に脱帽してしまう。それに対して福島の正確な現状も知らずに、風評被害に恐れている自分が本当に情けない限りである。
そしてこのように情けない自分を通して一つ感じたことは、放射線ももちろん怖いが、福島の正確な情報・福島県民の生活状況をほとんど知らないことは更に怖いことだということである。そのことに番組に出ていた福島で生活している高校生に、そしてそれらの高校生が使命感を持って福島第一原発を視察しているのを見てひしひしと感じさせられた。
現在のネット社会では、我々はわからないことがあればすぐにネットで検索して調べてしまう。しかしネットというものは意外といい加減なもので、調べる内容によっては正しい情報が少なく間違った情報ばかり出てきてしまうことがある。ネットは非常に便利なものであるが、本当の情報を知るためにはやはり本などの紙の情報に当たることも必要であり、時には現場に自ら足を運ぶことも必要だ。
このことから、今必要なのは情報の量ではない。いくら多くの情報を持っていても間違った情報ばかりでは意味がない。どれだけ質の良い正しい情報を見出せるか、簡単にネットで検索できる現代社会だからこそそのことが重要になってきているのではないかと福島の高校生を見ながら感じた次第である。