3月29日、コメディアンの志村けんさんが新型コロナウイルスで亡くなった。僕自身、一番身近に感じていたお笑い芸人だっただけに、これにはさすがにショックを受けた。志村けんさんの冥福を祈りたい。
志村さんの新型コロナウイルスによる死去は、我々が新型コロナによる死と言うものを身近に感じるきっかけになったと思う。誰もが新型コロナによって死ぬかもしれない。そう感じさせるものである。とは言っても、コロナに感染した全員が死亡するわけではなく、また年齢によっても致死率は大きく変わる。
ウイルスの毒性を測る一つの基準として、致死率がある。現在の致死率はイタリアでは10%に迫ろうとしておりかなり高い数値だが、世界的に見れば2~3%と言われている。この数値が高いのか低いのか?なかなか判断しづらいが、一つの比較として1918年~1919年に流行したスペイン風邪と比較することは有効であろう。
スペイン風邪は第一次世界大戦を終了させた大きな要因とも言われ、死者数は世界で数千万人(正確な数字は確定していないらしい)と言われている。そのスペイン風邪の致死率は2.5%以上(国立感染症研究所・感染症情報センターホームページによる)と言われている。この情報から読み取ると、現在の新型コロナウイルスの致死率はスペイン風邪と同等、あるいはそれ以上だと推測することができる。そしてこのスペイン風邪の死者数を見ると、現在の新型コロナウイルスがいかに深刻であるかがわかる。
そして一つ見逃してはならないのは、現在の医療水準がスペイン風邪が流行したころよりもはるかに高度になっていることである。そのような状況でスペイン風邪と同じレベルの致死率だと考えれば、現在の新型コロナウイルスの毒性がスペイン風邪よりはるかに高いと考えられる。
スペイン風邪による数千万人と言う死者数を聞いて、皆恐ろしく感じるだろう。しかし現在の新型コロナはそれに匹敵するくらいの毒性を持っていると考えられる。僕はここまで数値と言うデータから論を述べてきた。それはそれが最も客観的で公平な議論であると考えられるからだ。少なくとも、新型コロナを軽く見てはいけないことは間違いない。志村けんさんと言う国民に最も身近なコメディアンの逝去を機に、新型コロナの脅威をこれまで以上に真剣に、そして正確に考えるべきではないだろうか。