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フランス・TGV事故について

フランス同時多発テロが起きた14日、同じフランスで高速鉄道TGVの事故が起きた。本来ならこのニュース自体が大事故になるレベルだが、同時多発テロという桁違いの大事件が起きたために、TGV事故はあまり大きく報じられていない。

事故のニュースを聞いたとき、テロとの関連を疑った者も多いとは思うが、どうやらTGV事故はテロとは関係なく、スピードの出しすぎが原因とみられている。

TGVは世界的に日本の新幹線に次ぐ歴史があり、高速鉄道の草分けである。しかし新幹線とTGVではおかれている環境が全く違う。日本で初めて誕生した東海道新幹線は、人口密集地を通り、山を避けるためカーブも多く、ただ単にスピードを出せばいいというものではなかった。むしろスピードよりも環境問題の方が圧倒的に困難な問題であった。

それに対してTGVは、多くの路線が田園地帯を走り、騒音問題とは無関係な所が多く、また直線が多いため、スピードに関しては出せるだけ出そうというスタンスだ。鉄道の最高スピード記録はTGVの時速574キロで、現在日本で開発中のリニア新幹線とほぼ同じレベルだ。

このようにTGVはスピードを出すことにまい進していたが、それ以外の困難要因が少ないからかスピードを出すことに(新幹線と比べて)無頓着だったのかもしれない。

今回の事故は試験運転中であり、10人の死者であったが、営業運転であったら桁違いの被害になったところだ。

2015年11月14日はフランスにとって悪夢の日となった。しかしフランスの国力はあらゆる面でおいて世界トップレベルだ。今回のテロによる安全保障対策と、TGVの安全対策、この両者において、今回の二つの出来事をきっかけにしてフランスは再び信頼性を取り戻すに違いない。

なぜフランス同時多発テロが起きたのか

パリで13日(日本時間14日未明)、同時多発テロが起きた。現在確認されているだけで127人の死亡が明らかになっている。現場の状況から死者・負傷者の数は増えると思われる。

まずはテロで亡くなられた多くの方々への哀悼の意を表したい。

そもそも今回のテロはなぜフランス・パリで起きたのか。その理由として、フランス軍によるISなどシリアへの空爆への報復だと言われている。しかし僕は以前起きた、風刺週刊誌、シャルリー・エブドへの銃撃事件が非常に関係しているのではないかと思う。シャルリー・エブドはイスラムの預言者ムハンマドを侮辱するような風刺を行った。これに反するイスラム勢力が銃撃を行った。

西側諸国はこの風刺に対して言論の自由を主張し擁護している。しかしこれは西側諸国の自国の都合しか考えていない主張ではないかと思う。もちろん風刺をすることは違法ではない。しかしもしキリストが侮辱されたらヨーロッパ国民はどう思うだろうか。おそらく自分たちが侮辱されたものととらえるだろう。

世界秩序は欧米の都合だけで動いているのではない。他国には他国の都合・文化がある。しかし欧米(シャルリー・エブド)は他国の文化を無視したも同然のことをしたのだ。

もちろんそれに対抗する手段として、銃撃やテロをすることは決して許されない。テロと断固戦うことは間違っていないと思う。しかし欧米が他国の文化を軽視し侮辱し続ける限り、今回のフランスのようなテロはなくならないのではないかと思う。

ISはどうしようもない奴らで、理屈が通じない奴らであろう。しかしテロを防ぐ手段として厳重に警戒するだけでは根本的な防衛はできないだろう。他国の文化を尊重することが一番の対策になるのではないだろうか。

他文化を排除するのは欧米の思想にも反するはずだ。言論・風刺の自由を擁護するなら、他国の他文化も(モラルに反しない限り)尊重すべきである。

少年法をめぐって

最近、少年法、つまり19歳以下の少年少女が犯罪を犯しても罪が問われないというこの法律についての是非が問われている。この問題のきっかけになったのは、最近の少年少女犯罪、特に名古屋大学女子学生(当時19歳)による殺人事件と、「サカキバラ」事件の少年Aについての動向であろう。

名大女子学生による殺人事件では、犯行後、犯人の女子学生がツイッターで「ついにやった。少年法マンセー(万歳)」と書き込んだという。すなわち少年法を盾にして罪が問われないことを計算して行われた計画的犯罪であると言える。まさしく少年法の趣旨が裏目に出た形だ。

そしてサカキバラ少年Aでは、被害者を無視した手記の出版、そしてホームページの立ち上げが問題視されている。

少年法の趣旨は、19歳未満の少年少女による犯罪では罪を問うのではなく、教育による更生をもって社会復帰を助けるという、いわば加害者保護法である。そしてそれには教育によって必ず更生できるという前提がある。少年Aの場合は、手記・ホームページ共に被害者感情を逆なでするものではあるが、再犯を犯した訳ではなく、少年法が効果がなかったと判断するのは早計であろう。

しかし、名大女子学生事件では、少年法がまさに「悪用」されたとしか言いようがなく、少年法の是非が非常に議論になるところであろう。

20歳を境目に天と地ほど変わる少年法にはもちろん問題は山積であるが、その解決の一つとして少年法の柔軟な適用が考えられるだろう。20歳で一様に分けるのではなく、特に18歳・19歳あたりの犯罪者に対しては少年法を適用するかどうかケースバイケースにするのである。名大女子学生事件の動機を見ると、そうせざる負えないだろう。ただしその判断を誰がどうやって判断するか、もちろん裁判官が判断するのであろうが、難しい問題であろう。

少年法は選挙権と連動している。選挙権が18歳以上になれば少年法適用も18歳未満になるであろう。選挙権は大人であることを示すものである。選挙権年齢が議論されている現在、少年法も合わせて国民全体を巻き込んだ議論が望まれる。

MRJ、初試験飛行に成功

11月11日、三菱重工・三菱航空機の旅客ジェット機MRJ(三菱リージョナルジェット)の初試験飛行に成功した。今までは陸上での試験走行が続いていたが、ようやく空に舞い上がった。今回の成功は国家プロジェクトとして、国産ロケットに次ぐ大きな前進となった。

ドラマ「下町ロケット」では、ロケット部品に対する高度な精度を要する技術が描かれているが、それはジェット機でも同じだ。空を飛ぶものは、わずかな欠陥が墜落という大事故につながってしまう。特に飛行機の場合は一つの事故が数百人の命に関わるとあって、認可を出す省庁も数年、あるいはそれ以上の年月をかけて慎重に慎重を期して審査を行う。

航空機の開発は一つの企業だけで完結できるものではない。MRJは三菱(ブランド)の製品だが、部品などを含めるとその産業のすそ野は広く、多くの中小企業が関わっている。ある部品は台湾で調達する予定であったが、台湾企業は根を上げ、結局日本の小企業が受け持つことになったという。

日本の中小企業が支える技術の精度は世界と比べても数段優れている。今までMRJの計画は何度もの延期を繰り返してきた。それによって失った信頼も小さくないであろう。しかしそれらの延期は信頼性を高めるための延期であったと思われる。2年後、機体が航空会社に納入され運行されたとき、MRJの信頼は不動のものへと変わることを願う。

MRJ(三菱リージョナルジェット)、いよいよ初飛行

11月11日、つまり今日、MRJ(三菱リージョナルジェット)が初飛行することが決まった。今まで5度の延期を経て、待望の飛行試験だ。県営名古屋空港から空へと飛び立つことになる。

MRJは三菱重工業・三菱航空機にとって、これから事業の根幹になるであろう最重要プロジェクトだ。現在、三菱重工の事業の核の一つとなっているロケット事業に続く航空宇宙産業で、失敗は三菱の威信にかけても絶対に許されない。

ロケット事業に関しては、現在テレビドラマ「下町ロケット」で取り上げられており、ドラマの中では帝国重工業という社名で中小企業の佃製作所とのやり取りが行われ、白熱している。

ところで今回の初飛行では、一般客の飛行場の立ち入りは、展望デッキも含めて一切禁止されるという。広く公開すればアピールの場として非常に影響力があると思うのだが、安全を期してということだろうか。それとも三菱側の自信が100%ではないということだろうか。とにかく市民にとっては残念である。

今回の日本初の純国産中型ジェット機の飛行は日本の念願でもある。小型ジェット機のホンダ、中型旅客ジェット機の三菱と、これから日本の航空産業の両翼を担い、成功することを願うばかりである。

ミャンマー(ビルマ)、スー・チーさん率いる国民民主連盟が圧勝、背後に軍政からの大きな変化。

11月8日に投開票が行われたミャンマー(ビルマ)の総選挙で、アウン・サン・スー・チーさん率いる国民民主連盟の圧勝が確実になった。前々回の選挙では国民民主連盟が8割の議席を確保するも、軍政側は政権を明け渡さずに居座り続けた。そして前回は国民民主連盟は選挙をボイコットしていた。そして今回、軍事政権率いる与党側はあっさりと敗戦を認め、与党幹部も自らの落選を素直に受け入れた。そして現テインセイン大統領は民意を認め、国の発展のために一番ふさわしい党が政権を執るべきだ、というような趣意のことを述べている。

今回のスー・チーさん側の国民民主連盟の圧勝は予想されていたが、ここまで選挙が公正に行われ、軍政側が結果を素直に受け入れたことには非常にびっくりした。いったいこの軍政側の変わり具合は何なのだろうか。ここ数年に何が起きたのだろうか。ミャンマー(ビルマ)情勢に詳しくない僕にはよくわからないが、軍事政権だったミャンマー(ビルマ)にもようやく民主的政権・国家が復活することだけは確かなようだ。

国名はミャンマーと変わっていたが、もしかしたらもとの「ビルマ」に戻るかもしれない。そして何よりも一番気になるのが、スー・チーさんの大統領就任だ。軍事政権の策略により現法律下ではスー・チーさんは大統領になる資格は与えられないが、しかし政権を取った今後はスー・チーさんの大統領就任は時間の問題と思われる。

最近の東南アジア情勢は、南シナ海の中国問題で大きく揺れていたが、このミャンマー(ビルマ)の民主化によってさらに東南アジア情勢の勢力地図が塗り替えられることも予想されることだ。

今後誕生すると思われる、スー・チー政権に非常に期待する。

ミャンマー(ビルマ)で総選挙、アウン・サン・スー・チーさんをめぐって

11月8日、ミャンマー(ビルマ)で民主的(と思われる)総選挙が行われた。今回の選挙では、アウン・サン・スー・チーさん率いる国民民主連盟が圧勝するとみられているが、第三者による出口調査が行われていないので詳しいところはわからない。

ここで、ミャンマーという国名に括弧で「ビルマ」と付け加えたことは、ある人に従っている。現在の朝日放送・報道ステーションの前身、「ニュースステーション」のキャスターだった久米宏氏だ。彼はビルマに軍事独裁政権が誕生し、国名がミャンマーと変わった後も、頑なにビルマと表現し続け、軍事独裁政権を批判した。久米氏の粘り強い抵抗には共感していたが、現在テレビニュースでビルマという名前を聞くことは全くなくなった。久米氏の抵抗の意志を支持するためにもここでは括弧つきだが「ビルマ」と書かせていただいた。

今回の選挙で、国民民主連盟が圧勝するとスー・チーさんが大統領になれるのかというと、話は簡単ではない。軍事政権が大統領になれる資格としていくつかの条件を設定しているのだ。子供がイギリス国籍であるスー・チーさんは現在の法の下では大統領になる資格は得られないのである。そもそも法を半ば無視した軍事政権に法がどうだという資格はないのではと思うが、このスー・チーさんを狙い撃ちしてできたと言われる法の下ではなれないことになっている。

現時点でミャンマーは軍事政権国家だが、経済の方はずいぶん解放された印象を受ける。日本にいてそれを一番感じるのは、衣料品ではないだろうか。衣料品の産地を見ると、メイド・イン・ミャンマーと書かれたものも少なくない。とはいえ、本格的な開放路線を実行するためには、政権交代し、軍事国家体制が倒れなければかなりきついと言える。

選挙後の争点は、もちろんスー・チーさんの処遇であろう。頑なに民主化を唱えてきたスー・チーさんが政治で大きな影響力を握るとどんな方向に進むのか、今後の推移を見守っていきたい。

MRJ(三菱リージョナルジェット)が離陸直前

現在、日本初のジェット機開発が大詰めを迎えている。三菱のMRJ(三菱リージョナルジェット)だ。そのMRJが現在、離陸直前の状態まで来ている。11月6日の空港での試験走行では、時速220kmまで出力を上げ、前輪が浮上する状態まで来た。

MRJの開発、走行試験は、途中延期を重ね、信頼性に対して疑問を呈する声も聞かれるが、何しろ日本初の純国産ジェット機の開発だけあって想定外の出来事が多かったことが予想される。現在はまだ1ミリも飛んだ実績がないわけだが、間もなく行われる飛行試験が成功すれば、二段階も三段階も開発が進歩したことになる。今月後半には飛行試験の結果は出ているであろうが、この国家の念願でもでもあると言える国産ジェット機の開発が成功に向かうことを願うばかりである。

三菱のMRJは、約100人乗りの中型ジェット機だ。現在それとは別にホンダが6人・7人乗りのプライベートジェット機を開発している。そちらの方も気になるところである。ホンダのプライベートジェット機はすでに空を飛んでおり、形式認証を経て市場に出るのを待っている状態だ。

日本と言えば車産業が盛んであるが、新たに航空機産業を国家産業の要として興せるか、今後の日本の産業技術に大きく影響する鍵となる。

航空機開発は一夜では成り立たないものである。三菱にしろホンダにしろ、20年以上の積み重ねの上で今日の開発にたどり着いている。航空市場は産業障壁が非常に高く、簡単に市場に参入できる分野ではないが、一度参入すれば永続的な市場供給が約束される分野でもある。

数週間後にはMRJの飛行試験の結果が出ている。今後の日本産業を支える分野として、飛行試験成功というニュースを聞けることを楽しみにしている。

ついに、中国の目前で韓国が中国・南シナ海問題を非難

11月4日、マレーシアで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)拡大国防相会議で、韓国国防相が中国の南シナ海埋め立て軍事化問題を非難した。韓国はこの問題で中国とアメリカの板挟み状態になっており、ついに決断をした形だ。

今までは経済は中国寄りに、安全保障はアメリカと同盟、という形で分離外交を続けてきたが、中国経済からのあまりにもの影響の大きさに軍事面でも正面から中国に意見を言えない状態に陥っていた。今回の韓国の注文は当たり前の行為だと言えば当たり前のことだが、今までその当たり前の行為が取れなかったわけだ。

中国にすれば、軍事式典で韓国・朴クネ大統領を厚遇するなど韓国を懐柔したと思っていたであろうが、やはり経済は安全保障には勝てなかった。今回の韓国のアメリカ寄りの態度表明により、中国が経済面で韓国に反撃することも予想される。もしそうなれば韓国は一気にアメリカ側に揺り戻されるだろう。

今回の表明は、日本にとっても非常に利益のあるものだ。中韓両国での反日運動はこれからも続くであろうが、中韓の反日共闘にはヒビが入る可能性もある。

それから韓国が今回の表明を表したもう一つの理由に、TPP問題がある。韓国は日本との直接の経済競争を避けるため、TPPには不参加の態度をとってきた。ところが最近はTPPの巨大経済圏の誕生に危機感を感じ、TPP参加の方針に変わりつつある。TPPは実質上、日米がリードしている。すなわちTPPに参加するためには日米とより密接に結びつくことが必須だ。その布石として今回の中国への注文という態度に踏み切ったと思われる。

今回の韓国の態度は中国にとって非常に痛いものであろう。そして韓国にとっては避けて通れない道であった。板挟み外交からの脱出への道である。最近の朴クネ氏の中国外交には、同盟国であるアメリカ、そしてアメリカと同盟関係にある隣国の日本にとって非常に危機感を感じるものであった。しかし米オバマ氏も日本にとっても、とりあえず心配に種が一つ取れたと言えるだろう。

安倍首相が韓国で見せた余裕

11月2日、韓国で安倍首相と朴クネ大統領が首脳会談を行った。通常の首脳会談なら会談後、昼食会が開かれることが多いが、日本側の昼食会申し入れにもかかわらず韓国側が拒否した。

しかし、今回の安倍首相の行動はさすがだと言えよう。会談後、駐韓大使ら日本側だけでソウル市内の焼肉屋に足を運んだのである。店側によると安倍首相らは、韓国牛の霜降りロースのセットと味付けカルビを注文したという。店の選択といい、注文した焼肉といい、何ともフランクな「昼食会」である。しかしこのフランクな昼食会が成り行きで行ったわけがない。これは日本側の計算であろう。韓国側が断った昼食会の代わりに行ったこのフランクな昼食会が、日本側の精神的余裕を存分にアピールすることになったであろう。韓国側にすれば、一つやられたというのが正直なところであろう。

そもそも今回の韓国側には余裕などなく、焦りを感じていたはずだ。アメリカに迫られた中国の南シナ海進出への注文、経済の凋落とそれに関する日韓通貨スワップ問題、TPP問題。どれも一筋縄ではいかない問題ばかりだ。特に日韓通貨スワップに関しては、以前韓国側から一方的に打ち切った経緯があり、経済が困窮してきたからまた再開してくれとは都合がよすぎる。逆に言えば、日本側にとっては通貨スワップが一つのカードになった。すなわち今回の日韓首脳会談は圧倒的に日本側が有利であり、余裕があるのである。それが日本側だけのフランクな焼肉昼食会となったととらえられる。

今回の会談では、韓国側としては本来は慰安婦問題を利用して日本側に強く突っ込みたいところであったであろうが、それをするには今の韓国はあまりにも立場が弱すぎた。首脳会談はお互いの潤滑油であり、勝った負けたというたぐいのものではないが、あえて言うならば今回の会談に関しては日本側・安倍首相の圧勝であったと言える。

そして日本がこれから一番訴えていかなければならないのは、反日教育に対してであろう。韓国の異常な反日教育が続く限りぎくしゃくした関係の改善は望めない。しかし教育というものは変えたからといってすぐに効果の出るものではない。これからの日本側の粘り強い交渉が要求されるであろう。とにもかくにも日本側も韓国側も、これからの日韓関係は前途多難だ。