世の中は夜型人間に対して風当たりが厳しい。世間では早寝早起きが推奨され、夜更かしと言う言葉はしばしば悪い意味で使われる。僕自身はと言うと、完全な夜型である。そしてさらにロングスリーパーだと言ったら、まさしく世間の標準からはみ出ていると言える。実際このような僕にとって、普通に生活をすること自体かなりしんどい思いをする。
ではなぜ朝型が善とされ、夜型が悪とされるのか?それは歴史に負うところが大きいと言える。昔、電灯などがなかったころ、夜は暗闇であり、農作業などの仕事をするのが困難であった。なので様々な活動は日が昇ると同時に始まり、日が沈むと同時に終えることとなった。このような時代だと実質的に朝型でないと何もすることができない。しかし現代は、夜になっても至る所で明かりが灯っており、街に行けばネオンがこれでもかと言うくらい街を照らしている。このような時代において、夜に仕事や活動をすることは何の困難もない。なので夜型人間は夜に学業なり仕事なりを思いっきり打ち込めば良いと思う。
しかし現実は、学校は朝の8時頃に始まり、多くの企業も基本は9時5時と言うところが多い。僕は数理物理の研究を行っている。理論系の研究なら夜も朝も関係ない。なので自分の好きな時に好きな事ができると言えるが、それでも朝型を強制する周りの圧力には非常にストレスを感じてしまう。本音を言うと、日が沈むと同時に活動をはじめ、日が昇ると同時に寝たいくらいだ。まるでドラキュラであるが。
このように夜型人間を朝型に強制することによって、日本は、いや世界は人的資源を失ってはいまいか?夜型人間は夜に最大限の効率を持って仕事をさせれば、社会もさらに利益を得るのだと思うのだが。夜型が悪だと言う扱いをしばしば受けるが、何も夜型人間の心に悪が潜んでいるわけではない。夜型人間にとっては、ただ単に生きるだけでも非常に疲れる世の中である。