危機と平時。

現在は明らかに危機、つまり緊急時である。世界がコロナ禍に見舞われ、それぞれの国の首長はその対応に追われ、またその対応によって株を上げる首長も出てきている。危機時に強かった政治家と言えば、僕の印象では真っ先に元ロシア大統領・エリツィン氏が挙げられる。彼は危機によって持ち上げられ、平時になるにつれ見放されていった。逆に平時には堅実な政治を遂行できるが、緊急時には即座に対応できない首長もいる。なかなか平時にも危機時にも強いトップと言うものはいないのかもしれない。

では安倍首相はどうなのか?彼はこれまで平時の政策によって株を上げてきた首相だと言える。リーマンショック(麻生政権)の後のアベノミクス、東日本大震災(民主党政権)後の復興と、危機時にはそれぞれ他政権だ。しかし現在、コロナ禍と言う想定外の危機が日本、そして世界を襲っている。その時に安倍首相は何を為したか?他国の首相・大統領が決定的な決断を下す中、安倍首相はズルズルと流され、仕方なしに苦渋の決断を下したように思える。そこには国民を守ると言う意識は見えてこず、軽症で済めばラッキーと言うような保身に走ったようにしか見えない。すなわち安倍首相は危機に非常に弱い首相だと言わざるを得ない。

今の安倍首相は、首相の在任記録の更新に気が行っているのか?それともこのコロナ危機時においても憲法改正を第一に考えているのか?少なくとも国民の命の事を考えているようには思えない。経済対策を否定するつもりはないが、国民の命よりも経済、つまりアベノミクスの方が大事なようである。

今は政治においてもトリアージが大事だと僕は考えている。全ての事、つまり経済と国民を守ること全てを最高の状態に維持することは不可能だ。だからこそ全ての事柄において優先順位をはっきりと付け、その優先順位に沿って物事を進めるべきである。今の安倍首相はその優先順位が間違っているか?それともそもそも優先順位を付けていないのか?どちらにしても正しい優先順位に沿って決断を下しているようには思えない。今、コロナ危機脱出に向けて明確な指示を出せるトップが必要なのではないだろうか?少なくとも現在の安倍首相にはそれができるとは思えない。

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