スマホなどの最先端の電子機器には、レアメタルなどの鉱物が多く使用されている。これらの鉱物の一部は、アフリカの最貧国でも採取されている。しかしそれらの国で採取される鉱物を巡って、現在大きな問題が発生している。
アフリカのコンゴでは、多くの鉱物が採取されるらしい。埋蔵している資源だけで見るとコンゴは資源大国である。しかし現状は最貧国と言える状態だ。これらの国で、鉱物を巡って過酷な労働が強制され、暴行・虐殺が横行しているという。これらの事を聞いて日本人はどう思うだろうか?「暴行や虐殺は許されないことだが、日本人である私らには関係ないことでどうすることもできない」と思う人も多いかもしれない。しかしこれらの事に関して日本人は関係ないどころか密接な関係があり、関与することもできる問題なのである。
先ほどの話で取り上げたスマホなどの電子機器に使用されている鉱物は、これらの国で取られた鉱物である可能性は高い。この様な人権的な問題がある中で取られた鉱物を「紛争鉱物」という。私たちができる手段の内の一つは、これらの紛争鉱物が使われていないか監視することだ。最近ではこのような監視が国際的に行われ、紛争鉱物でないものにはタグをつけ、紛争鉱物に対して流通制限をしているという。
私たちは多くの電子機器に囲まれ、スマホなどの便利な機器を利用してスマートな生き方をしている。しかしスマートで、時にはお洒落に振る舞うことの背後には、このような紛争鉱物を巡って過酷な労働を強いられている人たちがいる。すなわち私たちの生活は、これらの人の人権侵害の下に成り立っていると言える。
自分たちだけが良ければいいという考えはもはや通じない。日本国内を豊かにすることは大事だが、それが世界の人たちの豊かさの下に成り立っていなければならない。しかし現実は、多くの人たちの犠牲の下に成り立っている。紛争鉱物はそのような世界の構造的な問題を提起し、これからの社会の在り方を考えさせられる。