自然体でなくていい。

自然体でいることが大事だという話をよく聞く。たしかに自然体でいることにより素の自分が出せることになり、精神的にも対外的な印象に関しても非常に良い効果が出せるように思える。しかし僕は、「自然体であることが自然」ではなく、「自然体でないことの方が自然」ではないかと感じる。

自然体でいることに神経を尖らせ、むしろ自然体が自然でなくなることがよくある。そのような時は、「自然体でなくていい。むしろ自然体でない自分を出すことが自然だ」という発想の転換を行うことが、あらゆることに良い影響を与える。

そもそも、人間が裸ではなく服を着て生活をするように、自分を装って表現することは自然な事である。自然体ではない自分を装うことは、むしろ自分という人間の自己表現だと言える。大事なのは、自然体から脱皮して、いかに自分を良い方向へ作るかということである。

普段の人ごみの中でもまれていくと、自分が自分で無くなっていくような感覚にとらわれることがある。しかしそれは、自分で無くなっていくのではなく、単に自分が変化しているだけなのである。そのような変化した自分も、自分そのものなのである。だから、自然体でない自分というものは、一種の自分の変化だと言える。

ただし、自分の変化の方向は、成長する方向へ向けなければならない。しかし現実は、退化する方向へ変化する人も多い。自然体でない自分を作るということは、自分に対するプロデュースである。いかにセンスのあるプロデューサーになるか?自然体でない自分を構築するのもなかなか面白い挑戦である。

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